専門学校卒でも大学院へ進学できる時代になりました。
近年、専門学校を卒業し、長年の実務経験を積んだ後、「もっと深く学びたい」「研究や教育の道にも進みたい」と考える人は少なくありません。しかし、日本の従来の学歴制度では、大学を卒業しないと大学院へ進学できないのが一般的でした。
しかし現在、大学院の門戸はより広がり、「学歴ワープ」=専門学校卒から一定の条件を満たすと直接大学院に進学する選択肢も現実的になっています。特に、私たちの大学院は社会人向けで、週に1日程度の負担で学べる環境が整っており(コースにより若干の違いがあります)、働きながら学ぶことが可能です(入学には審査があります)。
私が担当する鍼灸のコースでも、専門学校卒の資格者が実務を経て大学院へ進学し、臨床の現場での経験を活かしながら、より高度な研究や教育に進むケースが増えています。
学歴ワープの意義は、「資格を持っていれば十分」と考える人には伝わりにくいかもしれません。しかし、キャリアの選択肢を広げるという点で、大きな価値があります。
鍼灸師としてのキャリアは、一般的には臨床が中心です。しかし、大学院で学ぶことで、教育者(専門学校や大学の講師)、研究者、医療機関での指導者、さらには医療経営の専門家としての道も開けます。特に、近年では統合医療や予防医学の分野で、東洋医学の予防や養生の知識を持つ専門家が求められています。
大学院では、エビデンスに基づいた研究方法や論理的な思考を学ぶことができます。これにより、臨床の現場での施術が「経験則」から「科学的根拠に基づいた判断」へと進化し、より説得力のある説明ができるようになります。
鍼灸師は国家資格ですが、医療界においては「補完医療」としての位置づけが強く、科学的な裏付けが求められています。大学院での研究は、鍼灸の有効性をデータとして示す手段となり、医療機関や行政との連携を深める武器にもなります。
学歴ワープは単なる「学歴の格上げ」ではなく、新しいキャリアを創り出す手段です。
もちろん、「専門学校卒でも十分に活躍できるのでは?」という意見もあります。実際、鍼灸業界では、資格を持ち、臨床経験を積めば独立開業も可能です。そのため、「わざわざ大学院に行く必要はない」と考える人もいるでしょう。
しかし、時代は変わりつつあります。エビデンスに基づいた医療が求められ、鍼灸の効果を科学的に示すことが重要視される時代になっています。単なる経験則ではなく、データをもとにした施術が信頼されるようになってきているのです。
また、近年では経済産業省において、鍼灸を健康経営の手段として例示されました。国民の付託に応えるためにも学術的な裏付けを持つ専門家の存在が不可欠であり、大学院での学びが大きな意味を持つのです。
「でも、大学院はハードルが高そう…」「仕事と両立できるのか?」と不安に思う方もいるかもしれません。
私たちの大学院は、社会人向けに設計されており、週に1日程度の通学で負担が少ないカリキュラムとなっています(コースにより若干の違いがあります)。そのため、働きながら学ぶことができ、実務と学問の両立が可能です。
さらに、臨床の現場と知識をつなげることを重視した研究から、「机上の学問」ではなく、現場で活かせる学びが得られます。
極め付けが、本学の大学院では令和6年度の大学院入学生(修士課程、博士後期課程)より厚生労働大臣 教育訓練給付制度(一般教育訓練講座)を利用できることになりました。社会人経験があるからこそサポートが受けられる可能性があるのです。(指定期間:令和6年4月1日〜令和9年3月31日)。
詳しくは、厚生労働省 教育訓練給付についてのページをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
学歴ワープは、単に「学士を飛ばして修士号を取る」という話ではなく、キャリアのリスキリング(学び直し)としての意義が大きいのです。
鍼灸師としての経験を持ちながら大学院で研究を行えば、臨床・教育・経営・研究という複数の道を選択できるようになります。これにより、単なる施術者にとどまらず、業界全体をリードする存在になるのです。
これからの時代、鍼灸師として「学び続けること」は、単なる自己満足ではなく、業界の未来をつくる行動になるのです。
よろしければ、下記リンク先の私が書いた大学院の記事をご覧ください。
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