第30回 柔道整復師 国家試験問題及び模範解答・解説つき【解剖学】

2022/03/10

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第30回 柔道整復師 国家試験問題及び模範解答・解説つき【解剖学】
※原文のままでしたら不適当問題になってしまう箇所など勝手ながら修正・改変しました。

51
単層扁平上皮を有するのはどれか
気管
血管●
尿管
肛門管
【解説】血管内皮は単層扁平上皮である。ちなみに気管は多列線毛円柱上皮、尿管は移行上皮、肛門管は重層扁平上皮である。

52
滑車が関与するのはどれか
上斜筋●
上直筋
下斜筋
下直筋
【解説】上斜筋(外眼筋)は滑車を使い中脳下位から出る滑車神経に支配される。

53
下顎頭に停止するのはどれか
咬筋
側頭筋
外側翼突筋●
内側翼突筋
【解説】外側翼突筋は下顎頭(下顎骨の関節突起)から下顎頸に停止する。ちなみに咬筋は下顎角外面の咬筋粗面、側頭筋は筋突起、内側翼突筋は下顎角内面の翼突筋粗面に停止する。

54
椎弓間を連結するのはどれか
項靱帯
棘上靱帯
棘間靱帯
黄色靱帯●
【解説】黄色靱帯は弾性線維に富み椎弓間(脊柱管後壁)に張る。ちなみに項靱帯は頸部棘突起上に張る靱帯で、胸・腰・仙椎では棘上靱帯という。棘間靱帯は上下の棘突起間をつなぐ(腰椎で発達している)。

55
肩甲骨内側縁に付く筋の支配神経はどれか
長胸神経●
胸背神経
肩甲上神経
肩甲下神経
【解説】肩甲骨内側縁に付く筋に前鋸筋(厳密には内側縁前面)・小菱形筋・大菱形筋があり、前鋸筋は長胸神経、小菱形筋・大菱形筋は肩甲背神経神経に支配される。ちなみに胸背神経は広背筋、肩甲上神経は棘上筋・棘下筋、肩甲下神経は大円筋・肩甲下筋を支配する。【図の問題を改変しました】

56
鼠径管の構成要素でないのはどれか
外腹斜筋腱膜
腹直筋鞘後葉●
鼠径靱帯
腹横筋
【解説】鼠径管の前壁は外腹斜筋、後壁は腹横筋筋膜、上壁は内腹斜筋・腹横筋、下壁は鼠径靭帯・裂孔靱帯でつくられる。

57
三角筋下包が接する腱を持つのはどれか
棘上筋●
棘下筋
小円筋
大円筋
【解説】棘上筋は肩甲骨の棘上窩に起始し、肩峰をくぐって上腕骨大結節に停止する。肩峰と棘上筋の間に肩峰下包、それに接続して三角筋下包が三角筋と棘上筋・上腕骨大結節の間にある。

58
足関節を背屈させるのはどれか
後脛骨筋
長腓骨筋
短腓骨筋
第三腓骨筋●
【解説】第三腓骨筋は上伸筋支帯の下を通過し足関節を背屈・外反させる。ちなみに後脛骨筋は足関節底屈・内反、長腓骨筋・短腓骨筋は足関節底屈・外反させる。

59
外腸骨動脈の枝はどれか
下腹壁動脈●
臍動脈
上殿動脈
閉鎖動脈
【解説】外腸骨動脈の枝である下腹壁動脈は鎖骨下動脈の枝である内胸動脈→上腹壁動脈と吻合し、大動脈のバイパスとなる。

60
胸管と連絡しないのはどれか
左浅頸リンパ節
右腋窩リンパ節●
左膝窩リンパ節
右深鼠径リンパ節
【解説】左の静脈角に注ぐ胸管が集める領域は、両下半身、左上半身である。

61
導管が口腔前庭に開口するのはどれか
顎下腺
口蓋腺
耳下腺●
舌下腺
【解説】口腔前庭に導管が開口するのは耳下腺である。ちなみに顎下腺は舌下小丘、口蓋腺は口蓋(固有口腔)、舌下腺の大舌下腺管は舌下小丘で小舌下腺管は舌下ヒダに開口する(固有口腔)。

62
十二指腸で胆汁が分泌されるのはどこか
上部
下行部●
水平部
上行部
【解説】十二指腸下行部左壁にある大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に総胆管(胆汁)と主膵管(膵液)開口する。

63
喉頭で複数あるのはどれか
甲状軟骨
喉頭蓋軟骨
披裂軟骨●
輪状軟骨
【解説】披裂軟骨は喉頭の軟骨で有対である。ちなみに同じ喉頭の軟骨である喉頭蓋軟骨、甲状軟骨、輪状軟骨は無対である。

64
気管が左右の気管支に分岐するのはどこか
第1~2胸椎部
第4~5胸椎部●
第7~8胸椎部
第10~11胸椎部
【解説】気管が左右の気管支に分岐するのは第4~5胸椎の高さである。

65
腎臓を包む最内側の膜はどれか
腹膜
腎筋膜
脂肪被膜
線維被膜●
【解説】腎臓の被膜は外側から腎筋膜(ゲロタ膜)、脂肪被膜、線維被膜である。

66
射精管開口部位は尿道のどこか
壁内部
前立腺部●
隔膜部
海綿体部
【解説】精管の一部である射精管は前立腺を後方から貫き尿道後面の精丘に左右別々に開口する。

67
精細管外に位置する細胞はどれか
間細胞●
精粗細胞
精母細胞
セルトリ細胞
【解説】間細胞はライディッヒ細胞とも呼ばれ精細管と精細管との間にあり男性ホルモンを分泌する。精子は精細管内の精上皮でつくられ、それを支持するのが支持細胞であるセルトリ細胞である。

68
下垂体で誤っているのはどれか
間脳の上後部に位置する●
下垂体門脈がある
前葉は腺組織からなる
後葉は神経組織からなる
【解説】下垂体は間脳の視床下部漏斗にぶら下がる。ちなみに下垂体門脈は前葉にある。

69
脳の部位と脳室の組合せで誤っているのはどれか
視床――第3脳室
視床下部――第3脳室
中脳――第4脳室●
小脳――第4脳室
【解説】中脳の脳室系は中脳水道である。ちなみに間脳(視床・視床下部)は第3脳室を内包し、第4脳室の前壁は橋・延髄でつくられる菱形窩、後壁は小脳前面である。

70
上行性伝導路はどれか
視蓋脊髄路
前庭脊髄路
赤核脊髄路
脊髄視床路●
【解説】脊髄視床路は上行性伝導路(感覚性)である。ちなみに視蓋脊髄路、前庭脊髄路、赤核脊髄路などは下行性伝導路(運動性)の錐体外路に属す。

71
意識にのぼる深部感覚の伝導路はどれか【図】
後索●
中心管
前索
側索
【解説】意識にのぼる深部感覚の伝導路は、脊髄後索→後索核→毛帯交叉→内側毛帯→視床→内包→中心後回と伝わり、精細触覚と同じルートをとる。【図の問題を改変しました】

72
中脳の上丘レベルで脳神経核群を持つのはどれか
外転神経
滑車神経
顔面神経
動眼神経●
【解説】動眼神経は中脳上丘の高さに神経核(動眼神経核:運動神経、動眼神経副核[エディンガー・ウエストファウル核]:副交感神経)があり、中脳前方の大脳脚の間から出る。ちなみに同じ中脳から出る滑車神経の神経核は下丘の間から出る。外転神経や顔面神経は橋から出る。

73
副交感神経を含む脳神経はいくつか
3
4●
5
6
【解説】副交感神経を含む脳神経は動眼神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経とされる。

74
右の反回神経が反転する動脈はどれか
肋頸動脈
鎖骨下動脈●
腕頭動脈
大動脈
【解説】反回神経は迷走神経の枝で喉頭下部を支配する下喉頭神経となり発声に関与する。左右あり、右は鎖骨下動脈、左は大動脈弓を前から後ろへくぐる。

75
仙骨神経由来はどれか
陰部大腿神経
外側大腿皮神経
後大腿皮神経●
大腿神経
【解説】後大腿皮神経は仙骨神経叢から出て大腿後面の知覚を司る(梨状筋下孔を通る)。ちなみに陰部大腿神経(精巣挙筋)や大腿神経(大腿伸筋、恥骨筋など)、外側大腿皮神経(大腿外側の知覚)は腰神経叢から出る。

76
外肛門括約筋の支配神経はどれか
骨盤内臓神経
上直腸神経
下直腸神経●
会陰神経●
【解説】外肛門括約筋の支配神経は下直腸神経(陰部神経の枝)、会陰神経(陰部神経の枝で一部が外肛門括約筋を支配:日本人体解剖学)である。ちなみに骨盤内臓神経は副交感神経(一部交感神経)、上直腸神経は交感神経である。

77
皮膚腺はどれか
耳下腺
顎下腺
乳腺●
前立腺
【解説】皮膚腺には脂腺と汗腺があり、乳腺は汗腺が特殊に発達したものである。ちなみに乳腺はアポクリン分泌で、乳輪の脂腺はホロクリン分泌である。【問題文を皮脂腺から皮膚腺に修正】

78
網膜の浅層(光の当たる方)から深層の順で正しいのはどれか
視細胞層→双極細胞層→視神経細胞層
視細胞層→視神経細胞層→双極細胞層
視神経細胞層→視細胞層→双極細胞層
視神経細胞層→双極細胞層→視細胞層●
【解説】【問題文を浅層から浅層(光の当たる方)に修正】

79
肺尖の高さはどこか
鎖骨の頭側●
胸鎖関節
胸鎖関節と胸骨角の間
胸骨角

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